毎日40人・年間1万人以上と会話しているRyoです。薬局の患者さんって、高齢者の方がめちゃくちゃ多いんですよね。
でも高齢者の方との会話って、普通に話してるつもりでも「この人は若いから分からない」って思われちゃうことがあります。実は言葉の選び方一つで、信頼関係って大きく変わるんです。
今日は年間何千人もの高齢者の方と接してきてわかった、言葉選びのコツをお話しします。
高齢者の方が求めているもの
高齢者の患者さんって、実は若い薬剤師に対して複雑な気持ちを持ってることが多いんです。
「この子に私の体のことがわかるの?」
「年上として敬われたい」
「でも頼りになる人だったら安心したい」
こういう微妙な心理があるから、言葉選びがすげー重要になってくるんです。
私も最初の頃は、80歳の田中おばあちゃんに「大丈夫ですよ」って言ったら、「あなたに何がわかるの?」って言われて、ショックを受けました。でも今思えば、もっと適切な言葉があったんです。
使ってはいけないNGワード
1. 上から目線に聞こえる言葉
NG例:
- 「大丈夫ですよ」
- 「心配いりません」
- 「簡単です」
- 「普通は〜」
なぜダメか:
高齢者の方は長い人生経験があるから、若い人に「大丈夫」って断言されると「何がわかるの?」って思っちゃうんです。
改善例:
- 「大丈夫ですよ」→「これまでの経験では問題ないことが多いです」
- 「心配いりません」→「ご心配になるお気持ち、よくわかります」
- 「簡単です」→「慣れていただければ問題ないかと思います」
2. 子ども扱いしてしまう言葉
NG例:
- 「〜してくださいね」(語尾が子どもっぽい)
- 「わかりましたか?」(確認が上から目線)
- 「頑張って」(励ましのつもりでも失礼)
75歳の山田おじいちゃんに「お薬、毎日飲んでくださいね〜」って言ったら、「子ども扱いするな」って怒られたことがあります。語尾の「〜ね」が子どもに話しかけるような印象を与えてたんです。
信頼される言葉の選び方
1. 敬意を示す表現を使う
効果的な表現:
- 「おっしゃる通りです」
- 「貴重なご意見をありがとうございます」
- 「長年のご経験からのお話、勉強になります」
- 「○○さんのお考えはごもっともです」
これらの言葉って、相手の経験や知識を認めてるっていうサインになるんです。
2. 共感を示す言葉
共感の表現例:
- 「そういうご心配をされるのは当然です」
- 「同じような不安を感じる方は多くいらっしゃいます」
- 「お体のことですから、慎重になられるのは大切です」
85歳の佐々木さんに「薬を飲み忘れそうで心配」って相談された時、「そういうご心配をされるのは当然です。多くの方が同じことを気にされてます」って言ったら、すごく安心した表情になりました。
3. 選択肢を与える言葉
選択肢を示す表現:
- 「いくつか方法がございますが、どちらがよろしいでしょうか?」
- 「○○さんのご都合に合わせて調整できます」
- 「ご不明な点があれば、いつでもお聞かせください」
高齢者の方って、自分で選択できることを大切にされる傾向があります。一方的に決めつけられるより、選択肢があると安心してもらえます。
実際の会話例
悪い例
患者さん:「この薬、副作用が心配で…」
薬剤師:「大丈夫ですよ。心配しすぎです。みなさん普通に飲んでます。」
→ 患者さんの不安を軽視して、上から目線
良い例
患者さん:「この薬、副作用が心配で…」
薬剤師:「お薬のことでご心配になられるのは当然です。どのような点が特に気になりますでしょうか?これまでの経験では、きちんと説明させていただければ安心して服用していただけることが多いのですが、○○さんのお気持ちに合わせてご説明させていただきます。」
→ 不安を受け止めて、相手のペースに合わせる姿勢
年代別の注意点
70代の方
まだまだ現役感覚の方が多いので、老人扱いは絶対NG。
「お忙しい中」「お時間をいただき」など、相手の時間を尊重する表現が効果的。
80代以上の方
体調や記憶に不安を感じてる方が多いので、安心感を与える言葉選びが重要。
「ゆっくりで大丈夫です」「何度でもご説明します」など。
まとめ:相手の立場に立った言葉選び
高齢者の方との会話で一番大切なのは、相手の人生経験に敬意を払うことです。
ポイントまとめ:
- 上から目線の言葉は避ける
- 子ども扱いしない
- 敬意と共感を示す
- 選択肢を与える
年齢が上の方だからって特別な話し方をする必要はありません。でも「この人は私のことを大切に思ってくれてる」って感じてもらえる言葉選びは意識したいですね。
私も毎日勉強中ですが、言葉一つで患者さんの表情が変わるのを見ると、コミュニケーションの力ってすげーなって思います。明日からの接客で、少し意識してみてください!