アサーティブコミュニケーションの実践法

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言いたいことが言えない、その悩み解決します

毎日40人・年間1万人以上と会話しているRyoです。薬局での患者さんとの接客や同僚との連携を通じて、自分の意見をうまく伝えるって本当に難しいなと感じてます。

「言いたいことはあるけど、相手を傷つけたくない」「でも我慢ばかりしてるとストレス溜まる」って経験ありませんか?私も最初の頃は、患者さんに強く言えなくて問題が解決しなかったり、逆に感情的になって関係を悪化させちゃったり…

そんな時に出会ったのが「アサーティブコミュニケーション」。相手を尊重しながら、自分の気持ちもちゃんと伝える方法です。これを覚えてから、薬局での対応がめちゃくちゃスムーズになりました。

アサーティブって何?なぜ必要なの?

3つのコミュニケーションスタイル

コミュニケーションには大きく分けて3つのパターンがあるんです。

1. アグレッシブ(攻撃的)
「なんでわからないんですか?」「さっきも説明したじゃないですか」みたいに相手を責める伝え方。一時的には自分の意見が通るかもしれないけど、関係は悪くなる。

2. パッシブ(受動的)
「まあ、いいですけど…」「別に大丈夫です」って自分の意見を飲み込んじゃうパターン。平和に見えるけど、ストレスが溜まって爆発することもある。

3. アサーティブ(自己主張的)
「私はこう考えているのですが、いかがでしょうか?」って、相手を尊重しながら自分の意見も伝える方法。これが理想的なスタイルなんです。

なぜアサーティブが必要?

薬局で働いてると、本当にいろんな人と接するんですよね。理不尽なクレームを言ってくる患者さん、忙しくてピリピリしてる医師、プライドの高い先輩薬剤師…

最初の頃は、患者さんに強く言えなくて服薬指導がうまくいかなかったり、先輩に意見を言えなくて業務改善が進まなかったり。でもアサーティブを身につけてから、みんなが納得する形で問題解決できるようになったんです。

アサーティブの基本原則

相手の人権を尊重する

アサーティブの根底にあるのは「相手も自分も大切にする」って考え方。相手を否定するんじゃなくて、お互いの立場を理解し合おうとする姿勢が大事です。

薬局でも、患者さんが「薬なんて飲みたくない」って言った時、「そんなこと言わずに飲んでください」って返すんじゃなくて、「お薬に不安を感じていらっしゃるんですね」って気持ちを受け止めるところから始める。

事実と感情を分けて伝える

「○○さんは いつも遅刻する」(事実)「私は心配になります」(感情)みたいに、客観的な事実と主観的な気持ちを分けて表現する。これがめちゃくちゃ重要なポイントです。

具体的で建設的な提案をする

問題点を指摘するだけじゃなくて、「こうしたらどうでしょう?」って解決策も一緒に提示する。相手も受け入れやすいし、前向きな話し合いができる。

アサーティブな表現テクニック

Iメッセージを使う

「あなたが○○すると困る」じゃなくて「私は○○の時に困ってしまいます」って、主語を「私」にする方法。相手を責めてる感じがしないから、聞いてもらいやすい。

薬局での実例:
❌「患者さん、薬を飲まないと治りませんよ」
⭕「お薬を飲んでいただけないと、私も治療のお手伝いができなくて心配なんです」

DESC法を活用する

Describe(描写):状況を客観的に説明
Express(表現):自分の気持ちを伝える
Specify(提案):具体的な解決策を提示
Consequences(結果):それによって起こること

実際の会話例:
「昨日の処方箋で確認が取れなかった件なんですが(D)、私としては患者さんの安全が心配でして(E)、今度からこういう場合は一度相談してもらえませんか?(S)そうすれば安心して調剤できますし、患者さんにも説明しやすいんです(C)」

段階的に強める表現

いきなり強い表現を使うんじゃなくて、段階的に伝える強さを上げていく方法。

第1段階:「もしよろしければ…」
第2段階:「お願いしたいのですが…」
第3段階:「重要なことなので…」
第4段階:「これは守っていただく必要があります」

実践的なシーン別対応法

断る場面でのアサーティブ

「無理な残業をお願いされた時」
❌「いえいえ、大丈夫です(本当は嫌だけど)」
❌「残業なんてしたくありません!」
⭕「申し訳ございませんが、今日は家庭の都合で早く帰る必要があります。明日の朝一番でしたら対応可能ですが、いかがでしょうか?」

代替案を示すのがポイント。ただ断るんじゃなくて、別の解決方法を提示する。

意見の相違がある場面

「治療方針について医師と意見が違う時」
❌「先生の考えは間違ってると思います」
❌「はあ…(納得いかないけど黙る)」
⭕「先生のお考えもよく分かります。ただ、患者さんの状況を見ていて、こんな方法もあるかもしれないと思うのですが、いかがでしょうか?」

相手の意見を否定するんじゃなくて、追加の視点として提案する。

改善を求める場面

「同僚の業務に問題がある時」
❌「○○さんはいつもミスが多いですよね」
❌「(何も言わずに我慢)」
⭕「○○さん、お疲れさまです。昨日の薬歴の件でちょっと相談があるのですが、お時間いただけますか?患者さんの情報共有をもう少しスムーズにできたらと思って…」

クレーム対応でのアサーティブ

「理不尽なクレームを受けた時」
❌「お客様のおっしゃる通りです(納得してないけど)」
❌「そんなこと言われても困ります!」
⭕「ご不快な思いをおかけして申し訳ございません。お客様のお気持ちはよく分かります。ただ、法律上この対応が必要でして、どうすれば最善の解決ができるか一緒に考えさせていただけませんか?」

アサーティブになるための心構え

完璧を求めすぎない

最初からうまくいくわけじゃないから、完璧を求めすぎないこと。私も失敗しまくりました。患者さんに「なんか威圧的ですね」って言われたこともあるし、逆に「もう少しはっきり言ってよ」って言われたことも。

でも続けてるうちに、だんだん相手に応じた伝え方ができるようになってきた。練習あるのみです。

相手の反応は相手の責任

アサーティブに伝えても、相手がどう受け取るかは相手次第。「せっかく丁寧に伝えたのに怒られた」って落ち込む必要はありません。

自分は誠実に伝えた。それで十分。相手の感情まで全部コントロールしようとしたら疲れちゃいますからね。

練習の場を作る

いきなり難しい場面でアサーティブを使うんじゃなくて、まずは安全な場面で練習する。家族や親しい友人、信頼できる同僚から始めてみる。

「今度アサーティブって技術を練習してるから、付き合ってもらえる?」って正直に言っちゃうのもあり。理解してもらえれば協力してくれるはず。

よくある失敗パターンと対処法

失敗パターン1:言い方は丁寧だけど内容が攻撃的

「恐れ入りますが、あなたの考えは間違っていると思うのですが…」みたいに、丁寧語を使ってるけど中身は攻撃的なパターン。これじゃあアサーティブじゃない。

対処法:相手の考えを否定するんじゃなくて、自分の考えを追加で提案する。「私はこう考えているのですが、いかがでしょうか?」

失敗パターン2:遠回しすぎて伝わらない

「もしかしたら、場合によっては、できればなんですが…」みたいに遠回しすぎるパターン。相手に伝わらなかったら意味がない。

対処法:ポイントは明確に。「お願いがあります」「相談があります」って最初に言っちゃう。

失敗パターン3:感情的になってしまう

アサーティブに伝えようとしたのに、途中で感情的になっちゃうパターン。これは私もよくやりました。

対処法:感情が高ぶってきたら「ちょっと整理させてください」って一旦止める。深呼吸して冷静になってから続ける。

場面別実践フレーズ集

意見を述べる時

「私の考えでは…」
「私はこう思うのですが、いかがでしょうか?」
「別の視点から見ると…」
「追加で考慮したい点があるのですが…」

断る時

「申し訳ございませんが、お受けできません」
「残念ですが、今回は難しいです」
「理由をご説明しますと…」
「代わりにこんな方法はいかがでしょうか?」

改善を求める時

「お忙しい中恐縮ですが、ご相談があります」
「より良い方法があるかもしれません」
「こうしていただけると助かるのですが…」
「一緒に解決策を考えませんか?」

感謝を伝える時

「お考えいただいて、ありがとうございます」
「ご理解いただけて嬉しいです」
「おかげさまで助かりました」
「今後ともよろしくお願いします」

アサーティブな関係性の築き方

日常的な信頼関係が大切

アサーティブって、一朝一夕で身につくもんじゃないんですよね。普段からの関係性がすごく大事。

薬局でも、普段から「おはようございます」「お疲れさまでした」みたいな挨拶をきちんとしてる相手の方が、意見も聞いてもらいやすい。当たり前のことだけど、これが基本です。

相手の良い点を認める

批判や改善提案ばかりじゃなくて、相手の良い点もちゃんと伝える。「いつも丁寧に対応してくださってありがとうございます」「○○さんのおかげで助かってます」って。

褒められて嫌な人はいないですからね。普段から相手を認めてる人の意見は、素直に聞いてもらえるもんです。

継続的なコミュニケーション

一回アサーティブに伝えて終わりじゃなくて、継続的にコミュニケーション取り続ける。「この前の件、いかがですか?」「何かお困りのことはありませんか?」って。

関係性って、継続的なやりとりで築かれていくもの。一回うまくいったからって安心しちゃダメです。

まとめ:アサーティブは相手も自分も大切にする技術

アサーティブコミュニケーションって、相手を攻撃することでも、自分が我慢することでもない。お互いを尊重しながら、建設的な関係を築いていく技術なんです。

薬局での経験を通じて学んだのは、アサーティブって「技術」だってこと。センスじゃなくて、練習すれば誰でも身につけられる。最初はぎこちなくても、続けてるうちに自然にできるようになる。

「言いたいことが言えない」「でも相手を傷つけたくない」って悩んでる人は、ぜひアサーティブを試してみてください。きっと人間関係が楽になるし、仕事もスムーズに進むようになりますから。

私もまだまだ練習中ですが、以前より確実に相手との関係が良くなってるし、ストレスも減りました。一緒に頑張りましょう!

最後に一つ。アサーティブって、相手のためでもあるんですよね。遠回しに言ったり我慢したりするより、はっきり伝えた方が相手も分かりやすいし、関係も健全になる。お互いのためになる技術だと思って、ぜひ実践してみてください。

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この記事を書いた人

調剤薬局で働く現役薬剤師です。
医療現場の非効率さに疑問を持ち、独学でプログラミングを習得しました。
今では、ReactやPythonを使って現場の業務を効率化するツールを自作しています。
このブログでは、医療や薬局業務に役立つIT活用術や、プログラミング初心者の方に向けた実践的な学習ノウハウを発信しています。

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