**毎日40人・年間1万人以上と会話しているRyoです。**薬局では同僚の薬剤師、事務スタッフ、医師、看護師など、様々な職種の方々と連携して仕事をしています。限られた時間の中で正確な情報を共有し、信頼関係を築くためには、効果的なフォローアップクエスチョンが欠かせません。
今回は、ビジネスシーンで活用できるフォローアップクエスチョンの実践法をお伝えします。
ビジネス会話でのフォローアップクエスチョンの重要性
職場でのコミュニケーションは、雑談とは違って「成果」や「効率」が求められます。そんな中でフォローアップクエスチョンを使うことで:
- 情報の正確性を高める
- 相手の真意を理解する
- チームワークを向上させる
- 問題解決を促進する
これらの効果が期待できます。
薬局での実例
同僚: 「○○さんの薬、少し気になることがあって…」
基本的な反応: 「そうですか」
フォローアップクエスチョン: 「どんなことが気になったんですか?具体的に教えてもらえますか?」
この質問により、曖昧な情報から具体的な問題点を把握でき、適切な対応が取れます。
シーン別ビジネスフォローアップクエスチョン
1. 会議・打ち合わせでの活用
相手の発言: 「進捗が少し遅れています」
フォローアップクエスチョン:
- 「どの部分で遅れが生じているのでしょうか?」
- 「予定との差はどのくらいでしょうか?」
- 「何かサポートできることはありますか?」
- 「遅れの主な原因は何だと思われますか?」
2. 上司・部下とのコミュニケーション
部下の発言: 「この件、少し難しいかもしれません」
フォローアップクエスチョン:
- 「具体的にはどの部分が難しいと感じますか?」
- 「これまでに似たような経験はありますか?」
- 「どんなアプローチを考えていますか?」
- 「一緒に解決策を考えてみましょうか?」
上司の発言: 「来月から新しい取り組みを始めます」
フォローアップクエスチョン:
- 「新しい取り組みの目的や狙いを教えていただけますか?」
- 「私たちはどのような準備をすればよいでしょうか?」
- 「タイムラインはどのようになっていますか?」
3. 同僚との情報共有
同僚: 「昨日のクレーム、解決しました」
フォローアップクエスチョン:
- 「どのような解決方法だったんですか?」
- 「お客様の反応はいかがでしたか?」
- 「今後同じようなことを防ぐために、何か気をつけることはありますか?」
職種別フォローアップクエスチョン実例
1. プロジェクトマネージャーとして
チームメンバー: 「資料作成に時間がかかっています」
効果的な質問:
- 「どの部分に一番時間がかかっていますか?」
- 「必要な情報は揃っていますか?」
- 「他の人の協力が必要な部分はありますか?」
- 「締切に間に合わせるために、優先順位を調整する必要はありますか?」
2. 営業職として
顧客: 「検討してみます」
フォローアップクエスチョン:
- 「検討される上で、特に重視されるポイントはありますか?」
- 「決定までのスケジュールはどのようになっていますか?」
- 「検討される際に、何か追加でお伝えできることはありますか?」
3. 人事・総務として
社員: 「最近忙しくて疲れています」
フォローアップクエスチョン:
- 「どのような業務で忙しくなっているのでしょうか?」
- 「業務の効率化で改善できそうな部分はありますか?」
- 「何かサポートが必要でしたら、お気軽にご相談ください」
ビジネス会話で効果的なフォローアップクエスチョンのコツ
1. 目的を明確にして質問する
曖昧な質問: 「他に何かありますか?」
目的が明確な質問: 「この件について、リスクとして考えておくべきことはありますか?」
2. 相手の立場を考慮する
部下に対して: 「どう思う?」(プレッシャーを与えない)
上司に対して: 「ご指導いただけるでしょうか?」(敬意を示す)
3. 時間効率を意識する
効率的な質問: 「確認したい点が3つあります。まず…」
非効率な質問: 「ちょっと聞きたいことがあって…」(内容が不明確)
4. アクションにつながる質問をする
アクション志向: 「次のステップとして、何から始めるのがよいでしょうか?」
抽象的: 「どう思いますか?」
薬局でのビジネスフォローアップクエスチョン実例
ケース1:医師からの処方箋について
医師: 「この患者さん、少し複雑で…」
私: 「どのような点が複雑でしょうか?薬の相互作用についてでしょうか、それとも用法・用量についてでしょうか?」
医師: 「実は併用薬との相互作用が心配で…」
私: 「具体的にはどちらのお薬との相互作用でしょうか?検査値などで注意して見ておくべきポイントがあれば教えていただけますか?」
ケース2:チーム内での業務効率化
同僚: 「在庫管理がうまくいかなくて…」
私: 「どの部分の在庫管理でしょうか?発注のタイミングですか、それとも保管方法ですか?」
同僚: 「発注のタイミングが難しくて…」
私: 「過去のデータを見て、パターンを見つけることはできそうですか?一緒に分析してみましょうか?」
やってはいけないビジネスフォローアップクエスチョン
1. 責めるような質問
NG: 「なぜそんなことになったんですか?」
OK: 「状況を整理するために、経緯を教えていただけますか?」
2. プライベートに踏み込む質問
NG: 「家庭の事情で忙しいんですか?」
OK: 「業務量の調整が必要でしたら、相談してください」
3. 答えを誘導する質問
NG: 「○○が原因ですよね?」
OK: 「原因として考えられることはありますか?」
チームワーク向上のためのフォローアップクエスチョン
1. チームメンバーの意見を引き出す
- 「○○さんの経験から見て、どう思われますか?」
- 「違った視点からの意見はありますか?」
- 「他にアイデアがある方はいらっしゃいますか?」
2. 合意形成を図る
- 「皆さんの意見をまとめると、方向性としては○○ということでよろしいでしょうか?」
- 「この方針で進める上で、懸念点はありますか?」
3. 次のアクションを明確にする
- 「具体的には、誰が何を、いつまでに行いますか?」
- 「進捗確認はどのタイミングで行いましょうか?」
まとめ
ビジネス会話でのフォローアップクエスチョンは、単なる質問テクニックではなく、チーム全体の成果を向上させる重要なコミュニケーション手段です。薬局での経験から言えるのは、正確な情報共有と相互理解が、最終的にはお客様(患者さん)への最良のサービスにつながるということです。
職場でフォローアップクエスチョンを使う際は、相手の立場や感情に配慮しながら、具体的で建設的な質問を心がけましょう。そうすることで、より効率的で信頼関係に基づいたチームワークを築くことができるはずです。
明日からの職場での会話で、ぜひ今回紹介したフォローアップクエスチョンを活用してみてください。