忘れられない接客になる「ちょっとしたひと言」

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毎日40人・年間1万人以上と会話しているRyoです。薬の説明が終わった後、患者さんに「ありがとうございました」って言われる時と、「ありがとう、あなたがいて良かった」って言われる時があります。

この違いって、実は薬の説明の内容じゃなくて、「ちょっとしたひと言」なんです。たった一言添えるだけで、患者さんの心に残る接客になるんです。

今日は年間1万人との接客で効果を実感した、忘れられない接客になる「ちょっとしたひと言」をお話しします。

目次

「ちょっとしたひと言」の威力

薬の説明は業務的にやっても伝わります。でも患者さんの心に残るのは、説明以外の「人間味のあるひと言」なんです。

私も最初は、薬の説明をきちんとすることばかり考えてました。でもある日、70代のおばあちゃんに「雨の中、お疲れ様でした」って言ったら、すごく嬉しそうな顔をされて。それ以来、その方は私を指名してくれるようになりました。

たった一言が、患者さんとの関係を変えるんです。

シチュエーション別「ちょっとしたひと言」

天気・季節への気遣い

雨の日:

  • 「雨の中、お疲れ様でした」
  • 「足元が悪い中、ありがとうございます」
  • 「傘、大丈夫でしたか?」

暑い日:

  • 「今日は特に暑いですね。水分補給、気をつけてくださいね」
  • 「暑い中、お疲れ様です。少し涼んでいってください」

寒い日:

  • 「寒い中、ありがとうございます。風邪など大丈夫ですか?」
  • 「今日は冷えますね。温かくしてお帰りください」

実際に台風の日に来局された60代の男性に「こんな天気の中、ありがとうございます。気をつけてお帰りくださいね」って言ったら、次回来局時に「前回は親切にしてもらって」って覚えててくれました。

体調への気遣い

初回来局の方:

  • 「初めていらしていただき、ありがとうございます」
  • 「体調の方はいかがですか?」
  • 「何かご心配なことがあれば、いつでもご相談ください」

定期来局の方:

  • 「いつもありがとうございます。調子はいかがですか?」
  • 「前回から変わりなくお過ごしですか?」
  • 「○○さんのお顔を見ると安心します」

体調が悪そうな方:

  • 「お辛い中、来ていただいてありがとうございます」
  • 「早く良くなられることを願っています」
  • 「無理をされませんように」

時間への配慮

忙しそうな方:

  • 「お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます」
  • 「お急ぎのところ、ありがとうございました」

お待たせした方:

  • 「お待たせして申し訳ございませんでした」
  • 「貴重なお時間をいただき、ありがとうございます」

閉局間際の方:

  • 「遅い時間にありがとうございます」
  • 「最後まで対応させていただけて良かったです」

年代別「心に響くひと言」

高齢者の方(70代以上)

高齢者の方は、人生経験を認められることを喜ばれます。

効果的なひと言:

  • 「長い間、お疲れ様でした」
  • 「○○さんの経験談、いつも勉強になります」
  • 「お元気で何よりです」
  • 「ご家族の皆様にもよろしくお伝えください」

80代のおじいちゃんに「いつもお元気で、私たちも嬉しいです」って言ったら、「君みたいな薬剤師がいると安心だよ」って言ってもらえました。

働き世代(30-60代)

忙しい毎日を送ってることへの理解を示します。

効果的なひと言:

  • 「お仕事、お疲れ様です」
  • 「忙しい中、お身体を大切にしてくださいね」
  • 「いつもお疲れ様です。ご自愛ください」

子育て世代

子育ての大変さへの共感を示します。

効果的なひと言:

  • 「小さなお子さんがいると大変ですね」
  • 「子育て、お疲れ様です」
  • 「お子さんも一緒だと、お買い物も大変でしょう」
  • 「お子さんの体調、心配ですね」

薬の種類別「気遣いのひと言」

痛み止め

ひと言:

  • 「痛みが早く和らぐといいですね」
  • 「お辛いでしょうが、無理をされませんように」
  • 「少しでも楽になられることを願っています」

風邪薬

ひと言:

  • 「早く治るといいですね」
  • 「ゆっくり休んでくださいね」
  • 「お大事にしてください」

慢性疾患の薬

ひと言:

  • 「いつも頑張っていらっしゃいますね」
  • 「継続は力なりですね」
  • 「お薬のおかげで、良い状態を保てていますね」

新しい薬

ひと言:

  • 「新しいお薬で少し不安かもしれませんが、何かあればすぐにご相談ください」
  • 「効果が出るのが楽しみですね」
  • 「一緒に様子を見ていきましょう」

特別な状況での「ひと言」

手術前の方

ひと言:

  • 「手術、頑張ってくださいね」
  • 「うまくいくことを願っています」
  • 「私たちも応援しています」

退院後の方

ひと言:

  • 「退院おめでとうございます」
  • 「お疲れ様でした。ゆっくり回復してくださいね」
  • 「また元気なお顔を見ることができて嬉しいです」

転居される方

ひと言:

  • 「長い間、ありがとうございました」
  • 「新しい土地でもお元気で」
  • 「○○さんのことを忘れません」

実際に転居される患者さんに「○○さんにお会いできて、私も成長できました。ありがとうございました」って言ったら、涙を流して喜んでくれました。

「ひと言」を言うタイミング

最適なタイミング

1. 薬の説明が終わった後
説明に集中してもらった後、リラックスした雰囲気で。

2. お薬をお渡しする時
薬袋を渡しながら、自然に。

3. お見送りの時
最後の印象が一番記憶に残ります。

避けるべきタイミング

1. 薬の説明中
大切な説明を聞いてもらっている最中は避ける。

2. 忙しそうな時
相手が急いでいる時は、簡潔に。

3. 他の患者さんがいる時
プライベートな内容は控える。

「ひと言」を自然に言うコツ

1. 相手をよく観察する

表情、服装、持ち物、同伴者などから、その人の状況を推測。

2. 共感の気持ちを持つ

「この人はどんな気持ちかな?」と想像してから言葉を選ぶ。

3. 無理に言わない

自然に出てこない時は、基本的な挨拶だけで十分。

4. 心を込める

形式的に言うより、本当にそう思って言う方が伝わります。

よくある失敗パターン

失敗例1:プライベートに踏み込みすぎ

NG: 「お一人で大変ですね」
→ 家族構成を決めつけている

OK: 「何かご不明な点があれば、いつでもご相談ください」

失敗例2:体調について断定的に言う

NG: 「元気そうですね」
→ 実際は辛いかもしれない

OK: 「調子はいかがですか?」

失敗例3:同じことばかり言う

毎回同じひと言だと、機械的に感じられてしまいます。

まとめ:小さな心遣いが大きな信頼を生む

「ちょっとしたひと言」は、技術というより心遣いです。

ポイントまとめ:

  1. 相手の状況を観察する
  2. タイミングを見計らう
  3. 心を込めて言う
  4. 自然体でいる
  5. 継続して実践する

完璧なひと言を言おうとしなくても大丈夫。「この人に喜んでもらいたい」という気持ちがあれば、自然と適切な言葉が出てきます。

私も毎日の接客で、患者さん一人ひとりに合った「ひと言」を探してます。その一言で患者さんが笑顔になってくれた時の嬉しさは、薬剤師の仕事の醍醐味の一つです。

明日からの接客で、ぜひ「ちょっとしたひと言」を意識してみてください。きっと患者さんとの関係が、より温かいものになりますよ!

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この記事を書いた人

調剤薬局で働く現役薬剤師です。
医療現場の非効率さに疑問を持ち、独学でプログラミングを習得しました。
今では、ReactやPythonを使って現場の業務を効率化するツールを自作しています。
このブログでは、医療や薬局業務に役立つIT活用術や、プログラミング初心者の方に向けた実践的な学習ノウハウを発信しています。

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