毎日40人・年間1万人以上と会話しているRyoです。 薬局で働いていると、本当にいろんな心理状態の人と接するんですよ。自信満々な人もいれば、すごく落ち込んでる人、他人に対して批判的な人、自分を責めてばかりいる人…
「この人、なんでいつもこんな態度なんだろう?」って思うこと、ありませんか?実は人の心理状態って、ある程度パターン化できるんです。それが今日紹介する「OK牧場図」という理論。
これを知ってから、僕は患者さんの心理状態を瞬時に読み取って、それに合わせた対応ができるようになったんです。おかげで患者さんとの関係がめちゃくちゃ良くなりました!今日はその秘訣を、薬局での実体験を交えて詳しく解説しますね。
OK牧場図って何?心理的ポジションを理解する
OK牧場図(OK Corral)は、交流分析の創始者エリック・バーンの弟子、フランクリン・アーンストが開発した理論です。人の基本的な心理的ポジション(人生態度)を4つに分類したもの。
なんで「牧場図」って名前なのかというと、4つのエリアを牧場の柵で区切ったような図で表現するからなんですね。めちゃくちゃ分かりやすいんです!
4つの心理的ポジション
人は基本的に、自分と他人に対して「OK(良い)」か「Not OK(良くない)」かの認識を持っています。この組み合わせで4つのポジションに分かれるんです。
第1ポジション:「I'm OK, You're OK」(私も良い、あなたも良い)
これが一番健康的な心理状態。自分も他人も尊重できている状態です。
特徴
- 建設的な会話ができる
- 協力的
- 問題解決に前向き
- 相手を信頼している
- 自分にも自信がある
薬局での実例
60代の女性患者さんKさん。いつもこんな感じでした。
Kさん:「Ryoさん、この薬について詳しく教えてもらえますか?」
僕:「もちろんです!どんなことが知りたいですか?」
Kさん:「副作用について不安があるので、教えてください」
僕:「分かりました。この薬の副作用について説明しますね」
お互いを尊重し合いながら、建設的な会話ができる。これが理想的な関係性ですよね。
第2ポジション:「I'm OK, You're Not OK」(私は良い、あなたは良くない)
自分は正しいが、他人はダメだと思っている状態。上から目線になりがちです。
特徴
- 批判的
- 他人の欠点ばかり見る
- 「自分の方が優秀」と思っている
- 相手を見下す傾向
- 指導的・支配的になりがち
薬局での実例
50代の男性患者さんTさん。医療関係者で、いつも上から目線でした。
Tさん:「君、この薬の説明が不十分だよ。もっと勉強したまえ」
僕:「申し訳ございません。どの部分についてでしょうか?」
Tさん:「全部だよ。専門知識が足りないんじゃないか?」
この状態の人は、相手を見下すことで自分の価値を確認しようとするんです。
対応のコツ
- 感情的にならず、事実で対応
- 相手の知識や経験を認める
- 「教えていただけませんか?」のスタンス
実際の改善例:
僕:「Tさんはお詳しいですね。こちらの理解で合っているか確認していただけますか?」
→ 相手の専門性を認めることで、協力的になってもらえた
第3ポジション:「I'm Not OK, You're OK」(私は良くない、あなたは良い)
自分に自信がなく、他人の方が優れていると思っている状態。
特徴
- 自信がない
- 遠慮がち
- 「すみません」を連発
- 他人に依存的
- 自分を過小評価
薬局での実例
40代の女性患者さんMさん。いつもこんな感じでした。
Mさん:「すみません、こんなこと聞いちゃって…でも薬のことがよく分からなくて…私、頭悪いから…」
僕:「いえいえ、全然そんなことないですよ!薬のことは専門的だから、分からなくて当然です」
Mさん:「本当にすみません。もう一度説明してもらえますか?」
この状態の人は、自分を責める傾向があります。
対応のコツ
- 相手を安心させる
- 小さな成功体験を作る
- 「当然の権利です」ということを伝える
改善例:
僕:「Mさん、いい質問ですね!この薬について詳しく知りたいというのは、とても大切なことです」
→ 相手の行動を肯定的に評価することで、自信を持ってもらえた
第4ポジション:「I'm Not OK, You're Not OK」(私も良くない、あなたも良くない)
自分も他人も信頼できない、絶望的な状態。
特徴
- 諦めの気持ちが強い
- 無気力
- 他人も自分も信用しない
- 投げやりな態度
- 関わりを避けがち
薬局での実例
これは正直、薬局ではあまり見ないんですが、たまにいらっしゃいます。
70代の男性患者さんHさん。長期療養中でした。
Hさん:「どうせ薬飲んでも治らないよ。あんたたちも適当に出してるだけでしょ」
僕:「そんなことないです。少しずつでも改善していきましょう」
Hさん:「無駄無駄。もう諦めてるから」
この状態の人は、希望を失っている場合が多いです。
対応のコツ
- 根気強く関わる
- 小さな変化でも認める
- 「あなたを大切に思っている」ことを伝える
時間はかかりましたが、Hさんも少しずつ前向きになっていかれました。
OK牧場図を使った実践的コミュニケーション術
1. 相手のポジションを瞬時に見極める方法
言葉遣いでの判別
- 「〜すべき」「〜ねばならない」→ I'm OK, You're Not OK
- 「すみません」「申し訳ない」を多用 → I'm Not OK, You're OK
- 「どうせ」「無駄」「意味ない」→ I'm Not OK, You're Not OK
- 建設的な質問や提案 → I'm OK, You're OK
表情・態度での判別
- 上から目線、腕組み → I'm OK, You're Not OK
- 縮こまった姿勢、小さな声 → I'm Not OK, You're OK
- 無表情、投げやりな態度 → I'm Not OK, You're Not OK
- リラックス、自然な笑顔 → I'm OK, You're OK
2. ポジション別対応戦略
I'm OK, You're Not OK の人への対応
基本戦略:相手の専門性や経験を認めつつ、対等な関係を築く
実践例:
- 「さすがですね」「勉強になります」
- 「確認していただけますか?」
- 事実ベースで冷静に対応
I'm Not OK, You're OK の人への対応
基本戦略:相手の不安を取り除き、自信を持ってもらう
実践例:
- 「いい質問ですね」「当然の権利です」
- 「一緒に考えましょう」
- 小さなことでも褒める
I'm Not OK, You're Not OK の人への対応
基本戦略:希望を持ってもらい、信頼関係を築く
実践例:
- 「あなたのことを大切に思っています」
- 「小さな変化でも素晴らしいです」
- 継続的な関わりを大切に
3. 相手を I'm OK, You're OK に導く方法
最終的には、すべての人をこのポジションに導くことが目標です。
共通のポイント
- 相手を一人の人間として尊重する
- 感情的にならず、冷静に対応
- 相手の良い部分を見つけて認める
- 問題解決に一緒に取り組む姿勢
薬局での場面別活用法
服薬指導での活用
新患の患者さん
まずはどのポジションにいるかを観察。不安そうなら安心感を、威圧的なら相手の知識を認めることから始める。
リピート患者さん
長期的な関係性の中で、徐々に I'm OK, You're OK のポジションに導いていく。
クレーム対応での活用
クレームを言う患者さんは、たいてい I'm OK, You're Not OK のポジションにいます。
対応手順:
- 相手の怒りを受け止める
- 事実確認を冷静に行う
- 解決策を一緒に考える
- 最終的に協力関係を築く
実際の例:
患者さん:「待ち時間が長すぎる!管理がなってない!」
僕:「お忙しい中お待たせして申し訳ございません。現在の状況をご説明させていただけますか?」
→ 事実ベースで対応することで、相手も冷静になってくれる
同僚との関係での活用
薬局内でも OK牧場図は使えます。
後輩指導時
- 後輩が I'm Not OK, You're OK になりがちなので、自信を持ってもらう声かけを心がける
- 「いい判断ですね」「成長してますね」
先輩との関係
- 先輩が I'm OK, You're Not OK になる場合があるので、敬意を示しつつ対等な関係を目指す
OK牧場図を使う時の注意点
1. レッテル貼りは禁物
「この人は I'm OK, You're Not OK の人だから」って決めつけちゃダメです。人は状況や体調によってポジションが変わります。
僕も昔、「あの患者さんはいつも上から目線だから」って思い込んでたんですが、実は体調が悪くて不安になってただけだったことがありました。
2. 自分のポジションも意識する
相手のポジションばかり気にして、自分がどのポジションにいるかを忘れがち。自分も I'm OK, You're OK のポジションにいることが大切です。
3. 時間をかけて関係を築く
特に I'm Not OK, You're Not OK のポジションにいる人は、一朝一夕では変わりません。焦らず、根気強く関わることが大切。
まとめ:心理的ポジションを理解して、より良い関係を
OK牧場図を知ってから、僕の患者さんとの関係は劇的に改善しました。相手の心理状態を理解することで、その人に合った対応ができるようになったんです。
今日から実践できるポイント
-
相手の言葉遣いや態度を観察
- どのポジションにいるかを把握
-
自分も I'm OK, You're OK のポジションに
- 相手を尊重し、自分も大切にする
-
相手のポジションに合わせた対応
- 批判的な人には事実で、不安な人には安心感を
-
最終的に協力関係を目指す
- I'm OK, You're OK の関係に導く
人間関係って複雑に見えるけど、実は基本的なパターンがあるんです。OK牧場図はそれを分かりやすく整理してくれる、めちゃくちゃ使えるツール。
薬局での経験から言えるのは、どんなに難しそうな患者さんでも、その人の心理的ポジションを理解して適切に対応すれば、必ず良い関係が築けるということ。時間はかかるかもしれないけど、諦めずに関わり続けることが大切です。
明日からの患者さんとの会話で、ぜひOK牧場図を意識してみてください。きっと今までとは違った見え方ができて、コミュニケーションがもっと楽しくなりますよ!