毎日薬局で40人のお客様と会話しているRyoです。お客様との会話で「この質問、良かったのかな?」と迷ったことはありませんか?同じような内容でも、質問の仕方によって相手の反応が全然違う…。
実は、良い質問と悪い質問には明確な境界線があります。この記事では、具体的な例文を使って、効果的な質問の作り方と避けるべき質問パターンについて詳しく解説します。
良い質問と悪い質問の違いとは
良い質問の特徴
- 相手が答えやすい ― 答えに困らない、自然に答えられる
- 会話が深まる ― 一問一答で終わらない、豊かな会話ができる
- 信頼関係が築ける ― 相手の話を真剣に聞いている姿勢を示せる
- 目的が明確 ― 何を知りたいかがはっきりしている
悪い質問の特徴
- 相手が答えにくい ― 答えに困る、答えたくない
- 会話が途切れる ― 一問一答で終わってしまう
- 関係性が悪化する ― 相手が不快に感じる、心を閉ざす
- 目的が不明確 ― 何を聞きたいかがわからない
悪い質問のパターンと改善例
1. 詰問調の質問
❌ 悪い例
- 「なぜそんなことをしたんですか?」
- 「どうして早く言ってくれなかったんですか?」
- 「いつもそうなんでしょう?」
✅ 良い例
- 「どのような状況だったんですか?」
- 「何かお困りのことがあったんですか?」
- 「どのように感じられましたか?」
改善のポイント: 責めるような口調を避け、相手の状況や気持ちを理解しようとする姿勢を示す
2. 誘導的な質問
❌ 悪い例
- 「この薬の方がいいと思いませんか?」
- 「やっぱり手術を受けた方がいいですよね?」
- 「明日来店されるんですよね?」
✅ 良い例
- 「この薬についてどう思われますか?」
- 「手術についてどのようにお考えですか?」
- 「次回の来店予定は決まっていますか?」
改善のポイント: 自分の意見を押し付けず、相手の考えや希望を聞く
3. 複雑すぎる質問
❌ 悪い例
- 「頭痛とめまいと吐き気があって、いつからどの程度で、何か心当たりがあって、他にも症状があって、どのように対処していて、どうしたいか教えてください」
✅ 良い例
- 「どのような症状でお困りですか?」
- 「いつ頃からですか?」
- 「他にも気になることはありますか?」
改善のポイント: 一度に複数の質問をせず、一つずつ順番に聞く
4. 抽象的な質問
❌ 悪い例
- 「体調はどうですか?」
- 「何か困ったことはありますか?」
- 「どのように感じていますか?」
✅ 良い例
- 「今日は体調はいかがですか?」
- 「何かお困りの症状はありますか?」
- 「この薬を飲んで、どのように感じられましたか?」
改善のポイント: 具体的な状況や対象を明確にして、答えやすくする
5. 否定的な質問
❌ 悪い例
- 「痛みはないんですか?」
- 「他に症状はないんですか?」
- 「何も困ったことはないんですか?」
✅ 良い例
- 「痛みはありますか?」
- 「他にも症状はありますか?」
- 「何かお困りのことはありますか?」
改善のポイント: 否定形を避け、肯定形で質問する
良い質問を作るコツ
1. 相手の立場に立って考える
相手の気持ちになって考える
- この質問をされたら、自分はどう感じるか?
- 答えやすい質問になっているか?
- 相手が不快に感じないか?
2. 具体的で明確にする
曖昧さをなくす
- 何について聞きたいかを明確にする
- 具体的な状況や対象を指定する
- 答えの範囲を限定する
3. 段階的に質問する
一度に複数の質問をしない
- 基本情報から詳細へ
- 相手の答えを待ってから次の質問
- 自然な流れで会話を進める
4. 相手の言葉を活用する
相手が使った言葉を使って質問する
- 相手の表現をそのまま使う
- 相手の言葉を確認する
- 相手の言葉を発展させる
実践例:薬局での会話
Before(悪い質問の例)
薬剤師: 「なぜそんなに痛いのに我慢していたんですか?」
お客様: 「…」(答えにくい、責められていると感じる)
薬剤師: 「この薬の方がいいと思いませんか?」
お客様: 「…」(誘導されていると感じる)
After(良い質問の例)
薬剤師: 「どのような痛みを感じていらっしゃいますか?」
お客様: 「重い感じで、特に朝がつらいです」
薬剤師: 「朝がつらいということですね。いつ頃からですか?」
お客様: 「3日前くらいからです」
薬剤師: 「3日前から朝がつらいということですね。他にも気になる症状はありますか?」
お客様: 「めまいも少し…」
質問の改善チェックリスト
質問前に確認すること
- 相手が答えやすい質問になっているか?
- 責めるような口調になっていないか?
- 一度に複数の質問をしていないか?
- 具体的で明確な質問になっているか?
- 相手の立場に立って考えているか?
質問後に確認すること
- 相手が自然に答えられたか?
- 会話が深まったか?
- 相手が不快に感じていないか?
- 目的の情報が得られたか?
- 関係性が良くなったか?
注意点とコツ
やってはいけないこと
- 連続質問 ― 一度に複数の質問をしない
- 詰問調 ― 責めるような口調で質問しない
- 急かす ― 相手のペースを尊重する
- 無理強い ― 答えたくない質問を強要しない
- 誘導 ― 自分の意見を押し付けない
効果的な使い方のコツ
- 一つずつ ― 質問は一つずつ、相手の答えを待つ
- 自然な流れ ― 会話の流れに沿った質問をする
- 相手の言葉を活用 ― 相手が使った言葉を使って質問する
- 時間をかける ― 急がず、相手のペースに合わせる
- 相手の立場に立つ ― 相手の気持ちになって考える
フォローアップクエスチョンについてもっと詳しく
良い質問の作り方について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ→フォローアップクエスチョンとは?例文と使い方まとめ
まとめ
良い質問と悪い質問の境界線は、相手の立場に立って考えることです。
良い質問のポイント:
- 相手が答えやすい質問にする
- 具体的で明確な質問にする
- 段階的に質問を深めていく
- 相手の言葉を活用する
避けるべき質問:
- 詰問調の質問
- 誘導的な質問
- 複雑すぎる質問
- 抽象的な質問
- 否定的な質問
私も最初は「なぜ?」「どうして?」と詰問調の質問ばかりしていて、お客様が心を閉ざしてしまいました。でも、相手の立場に立って質問を考えることで、お客様との会話が劇的に変わりました。
ぜひ、今日から試してみてください。きっと会話が変わりますよ!