毎日薬局で40人のお客様と会話しているRyoです。お客様との会話で「もっと詳しく聞きたい」と思ったことはありませんか?でも、どんな質問をすればいいかわからなくて、結局「はい」「いいえ」で終わってしまう…。
実は、質問には大きく分けて2つの種類があります。この記事では、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの違いと、それぞれの使い分けについて詳しく解説します。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンとは
オープンクエスチョン(開いた質問)
定義: 相手が自由に答えられる質問
特徴: 「5W1H」(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)で始まる質問が多い
答え方: 自由記述、詳細な説明が期待できる
例文:
- 「どのような痛みを感じていますか?」
- 「いつ頃から症状が出始めましたか?」
- 「どのように対処されていますか?」
クローズドクエスチョン(閉じた質問)
定義: 相手が限定的に答えられる質問
特徴: 「はい」「いいえ」や選択肢で答えられる質問
答え方: 選択肢の中から選ぶ、短い回答
例文:
- 「痛みはありますか?」
- 「朝食は食べましたか?」
- 「この薬は飲んでいますか?」
それぞれの特徴と効果
オープンクエスチョンの特徴
メリット
- 詳細な情報が得られる ― 相手の状況や気持ちを深く理解できる
- 会話が活性化する ― 一問一答で終わらない、豊かな会話ができる
- 隠れたニーズを発見できる ― 表面的には見えない本音や要望がわかる
- 信頼関係が築ける ― 相手の話を真剣に聞いている姿勢を示せる
デメリット
- 時間がかかる ― 相手が考えて答えるのに時間が必要
- 答えにくい場合がある ― 抽象的な質問だと答えに困る人もいる
- 脱線しやすい ― 話が本筋から逸れる可能性がある
クローズドクエスチョンの特徴
メリット
- 素早く情報が得られる ― 短時間で必要な情報を確認できる
- 答えやすい ― 相手が答えに困ることが少ない
- 会話の方向性をコントロールできる ― 話を特定の方向に導ける
- 確認作業に適している ― 事実確認や理解度の確認に効果的
デメリット
- 情報が限定的 ― 表面的な情報しか得られない
- 会話が浅くなる ― 一問一答で終わってしまう
- 相手の本音がわからない ― 深い理解や共感が得られない
- 関係性が深まらない ― 表面的な関係で終わってしまう
使い分けのコツ
場面別の使い分け
1. 初期段階(関係構築期)
クローズドクエスチョンで基本情報を確認
- 「お名前は?」
- 「何かお困りのことはありますか?」
- 「初めてご来店ですか?」
2. 中期段階(詳細把握期)
オープンクエスチョンで深掘り
- 「どのような症状でお困りですか?」
- 「いつ頃から気になり始めましたか?」
- 「どのように対処されていますか?」
3. 後期段階(解決策提案期)
クローズドクエスチョンで確認・選択
- 「この薬でよろしいですか?」
- 「他にもご質問はありますか?」
- 「次回の来店予定は決まっていますか?」
目的別の使い分け
情報収集が目的の場合
オープンクエスチョンを中心に使用
- 「どのような状況ですか?」
- 「何か心当たりはありますか?」
- 「どのように感じていますか?」
確認・同意が目的の場合
クローズドクエスチョンを中心に使用
- 「理解できましたか?」
- 「よろしいですか?」
- 「他にもありますか?」
実践例:薬局での会話
Before(クローズドクエスチョンのみ)
薬剤師: 「頭痛はありますか?」
お客様: 「はい」
薬剤師: 「めまいはありますか?」
お客様: 「いいえ」
薬剤師: 「…」(会話終了)
After(オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの組み合わせ)
薬剤師: 「頭痛はありますか?」(クローズド)
お客様: 「はい」
薬剤師: 「どのような痛みですか?」(オープン)
お客様: 「重い感じで、特に朝がつらいです」
薬剤師: 「いつ頃からですか?」(オープン)
お客様: 「3日前くらいからです」
薬剤師: 「睡眠は十分取れていますか?」(クローズド)
お客様: 「いえ、最近忙しくて…」
効果的な質問の組み合わせ方
1. クローズド→オープンの流れ
基本情報を確認してから詳細を掘り下げる
例:
- 「痛みはありますか?」(クローズド)
- 「どのような痛みですか?」(オープン)
- 「いつ頃からですか?」(オープン)
- 「他にも症状はありますか?」(クローズド)
2. オープン→クローズドの流れ
詳細を聞いてから確認・選択する
例:
- 「どのような症状でお困りですか?」(オープン)
- 「頭痛とめまいですね」(確認)
- 「この薬でよろしいですか?」(クローズド)
3. ミックス型
状況に応じて適切に使い分ける
例:
- 「何かお困りのことはありますか?」(オープン)
- 「頭痛ですね」(確認)
- 「いつ頃からですか?」(オープン)
- 「朝がつらいですか?」(クローズド)
注意点とコツ
やってはいけないこと
- 連続質問 ― 一度に複数の質問をしない
- 詰問調 ― 責めるような口調で質問しない
- 急かす ― 相手のペースを尊重する
- 無理強い ― 答えたくない質問を強要しない
効果的な使い方のコツ
- 相手の状況を見る ― 緊張している時はクローズドから始める
- 自然な流れを作る ― 会話の流れに沿った質問をする
- 相手の言葉を活用する ― 相手が使った言葉を使って質問する
- 時間をかける ― 急がず、相手のペースに合わせる
フォローアップクエスチョンについてもっと詳しく
質問の使い分けについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ→フォローアップクエスチョンとは?例文と使い方まとめ
まとめ
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、それぞれに特徴と効果があります。
使い分けのポイント:
- 初期段階はクローズドで基本情報を確認
- 中期段階はオープンで詳細を掘り下げ
- 後期段階はクローズドで確認・選択
組み合わせのコツ:
- クローズド→オープンの流れで情報を深掘り
- 相手の状況に応じて適切に使い分け
- 自然な流れで会話を進める
私も最初はクローズドクエスチョンばかり使っていて、お客様から詳しい情報が聞けませんでした。でも、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを適切に使い分けることで、お客様との会話が劇的に変わりました。
ぜひ、今日から試してみてください。きっと会話が変わりますよ!