毎日薬局で40人のお客様と会話しているRyoです
人事の皆さん、「面談で部下の本音が聞けない…」そんな悩みありませんか?
部下が「大丈夫です」「問題ありません」と表面的な回答しかしない。本当のところが分からないから、適切なサポートができない。これは多くの人事担当者が抱える課題です。
今日は、面談で部下の本音を引き出す聞き方のコツをお伝えします。これを実践すれば、部下との信頼関係も深まり、組織の課題も早期発見できるようになりますよ!
なぜ部下は本音を話さないのか?
部下が本音を話さない理由は、主に以下の3つです。
1. 信頼関係が不足している
「この人に話しても大丈夫かな?」という不安があると、本音は出てきません。特に、過去に話した内容が適切に処理されなかった経験があると、警戒心が強くなります。
2. 評価への不安
「本音を話すと評価が下がるのでは?」という懸念があります。特に、ネガティブな意見や不満を言うことで、マイナス評価につながると思われがちです。
3. 話す価値がないと思っている
「話しても何も変わらない」「聞いてもらえない」という諦めの気持ちがあります。過去の経験から、面談が形式的なものだと感じている可能性があります。
本音を引き出す聞き方の基本
1. 環境づくりから始める
面談の場所や時間を、部下が話しやすい環境にしましょう。
場所の選び方
- 個室で、他の人に聞こえない環境
- カフェや会議室など、リラックスできる場所
- 部下が選んだ場所(可能であれば)
時間の設定
- 部下の都合を優先する
- 急がせない、十分な時間を確保する
- 定期的な面談の習慣をつける
2. 信頼関係を築く
本音を聞く前に、まず信頼関係を築くことが重要です。
過去の約束を守る
- 前回の面談で約束したことを必ず実行する
- できない場合は、理由を説明して代替案を提示する
部下の話を真剣に聞く
- スマートフォンやPCを見ながら聞かない
- 相槌や頷きで「聞いている」ことを示す
- 途中で話を遮らない
効果的な質問の仕方
1. オープンクエスチョンを活用する
「はい・いいえ」で答えられる質問ではなく、部下が自由に話せる質問をしましょう。
良い質問の例
- 「最近、仕事でどのようなことを感じていますか?」
- 「チームの雰囲気について、どう思いますか?」
- 「あなたが理想とする職場環境は、どのようなものですか?」
避けるべき質問
- 「仕事は順調ですか?」(「はい」で終わってしまう)
- 「何か困ったことはありませんか?」(「いいえ」で終わってしまう)
- 「給料に不満はありませんか?」(直接的な質問で警戒される)
2. 段階的に深掘りする
いきなり核心的な質問をするのではなく、段階的に深掘りしていきましょう。
段階的な質問の例
- 「最近の仕事の調子はどうですか?」
- 「特に印象に残っている出来事はありますか?」
- 「その出来事について、詳しく教えてもらえますか?」
- 「その時、どのような気持ちでしたか?」
3. 部下の言葉を活用する
部下が使った言葉や表現を、そのまま質問に含めましょう。
部下:「最近、忙しくて…」
あなた:「忙しいということですが、具体的にどのようなことが忙しいと感じる原因になっていますか?」
本音を引き出す具体的なテクニック
1. 沈黙を活用する
質問の後に適度な沈黙があると、部下が深く考える時間ができます。
実践方法
- 質問後、3-5秒の沈黙を作る
- 部下が話し始めるまで待つ
- 途中で話が止まった時も、急いで次の質問をしない
2. 共感を示す
部下の感情に共感を示すことで、話しやすくなります。
共感の表現例
- 「それは大変でしたね」
- 「その気持ち、よく分かります」
- 「確かに、そう感じるのも無理ありませんね」
3. 具体例を求める
抽象的な回答に対しては、具体例を求めることで本音が見えてきます。
具体例を求める質問
- 「例えば、どのような場面でそう感じましたか?」
- 「具体的に、どのような行動をされましたか?」
- 「その時、周りの人はどのような反応でしたか?」
面談の流れとポイント
1. 面談の開始(5分)
目的
- 部下をリラックスさせる
- 面談の目的を明確にする
具体的な行動
- 軽い雑談から始める
- 「今日は、あなたの話を聞かせてもらいたいと思っています」
- 「何でも気軽に話してください」
2. 本題(20-25分)
目的
- 部下の本音を引き出す
- 課題や要望を把握する
具体的な行動
- オープンクエスチョンで話を引き出す
- 部下の話をじっくり聞く
- 必要に応じて深掘りする
3. 面談の終了(5分)
目的
- 面談の内容を整理する
- 次のアクションを明確にする
具体的な行動
- 今日話した内容を簡単にまとめる
- 次回までに何をするかを確認する
- 面談の感想を聞く
よくある失敗パターンと対処法
1. 説教になってしまう
失敗例
「それはあなたの努力不足です。もっと頑張りなさい」
対処法
- 部下の話を最後まで聞く
- まずは部下の気持ちを理解する
- 解決策は一緒に考える
2. すぐに解決策を提案してしまう
失敗例
「それは○○すれば解決しますよ」
対処法
- 部下自身が解決策を考えられるよう質問する
- 「あなたなら、どうしますか?」
- 「他に方法はないでしょうか?」
3. 評価の話をしてしまう
失敗例
「その話は評価に影響しますよ」
対処法
- 面談中は評価の話は避ける
- 「今日の話は、あなたの成長のために聞いています」
- 評価とは別の機会で話す
本音を引き出せた後の対応
1. 話した内容を整理する
部下が話した内容を、整理して伝え返しましょう。
整理の例
「今日は、チームのコミュニケーションについて、以下のような課題があることが分かりましたね。1つ目は…、2つ目は…」
2. 次のアクションを決める
話した内容を踏まえて、具体的なアクションを決めましょう。
アクションの例
- 「来週のチーム会議で、この課題について話し合いましょう」
- 「1週間後に、改善の進捗を確認しましょう」
- 「必要に応じて、他の部署にも相談してみましょう」
3. フォローアップを忘れない
面談で決めたことを、必ず実行しましょう。これが信頼関係を築く鍵です。
まとめ
面談で部下の本音を引き出すには、信頼関係を築くことから始めましょう。
適切な環境づくり、効果的な質問、そして部下の話を真剣に聞く姿勢が重要です。本音を聞けた後は、必ずフォローアップを忘れずに。
フォローアップクエスチョンについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ→フォローアップクエスチョンとは?例文と使い方まとめ
部下との信頼関係を深め、組織の課題を早期発見できる人事になりましょう!