毎日40人・年間1万人以上と会話しているRyoです。薬局での聞き間違いって、マジで怖いんです。
「朝飲む」と「夜飲む」を聞き間違えたら大変だし、「毎日」と「痛い時だけ」の違いで薬の効果が全然変わってしまいます。
でも「オウム返し」っていう簡単なテクニックを使うだけで、聞き間違いをほぼ完全に防げるんです。今日は年間1万人との会話で身につけた、確認のためのオウム返しテクニックをお話しします。
オウム返しとは何か?
オウム返しって、相手が言ったことをそのまま繰り返すことです。
例:
患者さん:「朝食後に飲むんですよね?」
薬剤師:「はい、朝食後に飲んでいただくお薬ですね。」
これだけで、お互いの認識が合ってるかを確認できます。
私も最初は「聞こえてるのに、なんで繰り返すの?」って思ってました。でも実際にやってみると、想像以上に聞き間違いや勘違いが発見できるんです。
なぜオウム返しが効果的なのか?
1. 音の聞き間違いを防げる
薬局って意外と騒がしいんです。調剤の音、電話の音、他の患者さんの声…。
「朝」と「昼」、「毎日」と「毎食」、「1錠」と「2錠」。似たような音って、聞き間違えやすいんです。
70代の佐藤さんとの会話で:
佐藤さん:「これ、昼食後でしたっけ?」
私:「朝食後のお薬ですが…」
佐藤さん:「あ、朝でしたね!間違えました」
オウム返しで確認してなかったら、昼に飲んじゃってたかもしれません。
2. 思い込みを修正できる
患者さんも薬剤師も、思い込みで話してることがあります。
患者さん:「いつものお薬と同じ飲み方ですよね?」
私:「今回は朝夕2回に変更になってますが…」
患者さん:「え!変わったんですか?」
「いつもと同じ」という思い込みを、オウム返しで修正できました。
3. 相手に「ちゃんと聞いてもらえてる」安心感を与える
オウム返しって、「あなたの話をちゃんと聞いてます」っていうサインにもなるんです。
基本的なオウム返しパターン
1. そのまま繰り返すパターン
患者さん:「1日2回でしたね」
薬剤師:「はい、1日2回のお薬です」
一番シンプルで確実な方法。
2. 言い換えて確認するパターン
患者さん:「朝と夜ですね」
薬剤師:「朝食後と夕食後、1日2回ということですね」
より具体的に確認できます。
3. 疑問形で確認するパターン
患者さん:「毎日飲むんですよね?」
薬剤師:「毎日続けて飲んでいただくお薬でよろしいでしょうか?」
相手に再確認を促せます。
シチュエーション別オウム返し
服用方法の確認
患者さん:「食前に飲むんでしたっけ?」
薬剤師:「こちらは食後30分以内に飲んでいただくお薬です。食前ではなく食後ですね」
間違った認識をその場で修正。
薬の種類の確認
患者さん:「痛み止めはこれですか?」
薬剤師:「こちらは胃薬で、痛み止めはこちらの白い錠剤になります」
薬を取り違える前に確認。
期間の確認
患者さん:「2週間分ですよね?」
薬剤師:「今回は1週間分です。次回1週間後に受診してください」
処方期間の認識違いを防止。
副作用の理解確認
患者さん:「眠くなるかもしれないんですね」
薬剤師:「はい、眠気が出る可能性があります。特に服用後2〜3時間は注意してください」
副作用の理解を深める。
高齢者の方へのオウム返し
高齢者の方には、特に丁寧なオウム返しが効果的です。
ゆっくり、はっきりと
患者さん:「朝の薬は何錠でしたっけ?」
薬剤師:「朝のお薬は…2錠…です。白い錠剤を2錠、朝食後に飲んでください」
重要なポイントは2回確認
薬剤師:「朝食後に2錠ということで、よろしいでしょうか?」
患者さん:「はい」
薬剤師:「ありがとうございます。朝食後に2錠ですね」
念押しの確認で安心感を与える。
子ども連れの患者さんへのオウム返し
お母さん:「子どもの薬は1日3回ですか?」
薬剤師:「お子さんのお薬は1日2回、朝夕の食後です。3回ではなく2回ですね」
子どもの薬は特に間違えられないので、より慎重に。
聞き取りにくい時のオウム返し
声が小さい患者さん
患者さん:「…(小さい声で)朝…」
薬剤師:「朝に飲むお薬ということでしょうか?少しお声が聞き取りにくかったので、確認させてください」
聞き取れなかった時も、相手を責めずに確認。
マスクで聞き取りにくい時
患者さん:「…食後…」(マスク越し)
薬剤師:「食後に飲むお薬ということですね。朝食後、昼食後、夕食後のどちらでしょうか?」
より具体的に確認する。
オウム返しの注意点
1. 機械的にならない
ただ繰り返すだけじゃなくて、理解してることを示す。
悪い例:
患者さん:「朝食後ですね」
薬剤師:「朝食後ですね」(棒読み)
良い例:
患者さん:「朝食後ですね」
薬剤師:「はい、朝食後に飲んでいただくお薬です。ご理解いただき、ありがとうございます」
2. 長すぎるオウム返しは避ける
相手が長く話した時は、要点だけをオウム返し。
患者さん:「昨日から頭痛がひどくて、朝も痛かったし、仕事中も集中できなくて…」
薬剤師:「頭痛がお辛いんですね。今回は頭痛のお薬をお出しします」
3. 間違いを発見した時は優しく修正
患者さん:「夜に2錠ですね」
薬剤師:「申し訳ございません。こちらは朝に1錠のお薬です。夜ではなく朝ですね」
相手のミスを責めるのではなく、正しい情報を伝える。
オウム返しの効果
オウム返しを続けてから、明らかに変化がありました。
変化の例:
- 薬の服用間違いのクレームが激減
- 患者さんからの「確認してくれて安心」という声
- 薬剤師としての信頼度向上
- 自分自身の聞き間違いも減少
特に印象的だったのが、80代のおじいちゃんから「あなたはちゃんと確認してくれるから安心だ」って言われた時です。
まとめ:小さな確認が大きな安心を生む
オウム返しって、すげーシンプルなテクニックですが、効果は絶大です。
ポイントまとめ:
- 相手の言葉をそのまま繰り返す
- 聞き間違いを早期発見
- 思い込みを修正
- 相手に安心感を与える
- 機械的にならず、理解を示す
薬局での聞き間違いは、患者さんの健康に直接関わります。オウム返しで確認することで、安全で信頼される薬剤師になれます。
私も毎日の接客で必ず使ってるテクニックです。最初は意識して使ってましたが、今では自然にできるようになりました。
明日からの患者さんとの会話で、ぜひオウム返しを試してみてください。きっと聞き間違いが減って、患者さんからの信頼も高まりますよ!