毎日40人・年間1万人以上と会話しているRyoです。患者さんとの会話で「この薬剤師さん、私の気持ちをわかってくれる」って思ってもらえる瞬間があります。
その決め手になるのが「共感フレーズ」です。同じ内容の返事でも、共感を示す言葉があるかないかで、患者さんの受ける印象が全然違うんです。
今日は年間1万人との接客で効果を実感した、信頼を深める「共感フレーズ」を20個厳選してお話しします。
共感フレーズの効果
共感フレーズを使うと、患者さんにこんな気持ちになってもらえます:
- 「この人は私の気持ちをわかってくれる」
- 「安心して相談できる」
- 「一人じゃないんだ」
- 「この薬局に来て良かった」
逆に共感フレーズがないと、どんなに正しい説明をしても「事務的で冷たい」「親身じゃない」って思われちゃうことがあります。
私も最初は「薬の説明が正確であれば大丈夫」って思ってましたが、共感フレーズを使うようになってから、患者さんとの関係が劇的に変わりました。
厳選!共感フレーズ20選
1-5:基本の共感フレーズ
1. 「そのお気持ち、よくわかります」
使用場面: 患者さんが不安や心配を表現した時
例:
患者さん:「新しい薬で副作用が心配で…」
薬剤師:「そのお気持ち、よくわかります。新しいお薬は不安になりますよね」
2. 「おっしゃる通りですね」
使用場面: 患者さんの意見や感想に同意する時
例:
患者さん:「薬代が高くて家計が厳しくて…」
薬剤師:「おっしゃる通りですね。お薬代の負担、大きいですよね」
3. 「そう思われるのは当然です」
使用場面: 患者さんの心配や疑問を正当化する時
例:
患者さん:「こんなにたくさん薬を飲んで大丈夫でしょうか?」
薬剤師:「そう思われるのは当然です。お薬の数が多いと心配になりますよね」
4. 「無理もありません」
使用場面: 患者さんの感情や行動に理解を示す時
例:
患者さん:「飲み忘れが多くて…」
薬剤師:「無理もありません。毎日決まった時間に飲むのは意外と難しいものです」
5. 「お察しします」
使用場面: 患者さんの困難な状況に同情を示す時
例:
患者さん:「仕事が忙しくて、なかなか病院に行けなくて…」
薬剤師:「お察しします。お忙しい中でのお薬管理は大変ですよね」
6-10:深い理解を示すフレーズ
6. 「同じような方は多くいらっしゃいます」
使用場面: 患者さんが「自分だけ」と感じている時
例:
患者さん:「副作用で眠くて仕事に支障が…」
薬剤師:「同じような方は多くいらっしゃいます。一人で悩まれることはありませんよ」
7. 「とてもよく頑張っていらっしゃいますね」
使用場面: 患者さんの努力を認める時
例:
患者さん:「毎日薬を飲むのが辛くて…」
薬剤師:「とてもよく頑張っていらっしゃいますね。毎日続けるのは本当に大変です」
8. 「お辛い思いをされているんですね」
使用場面: 患者さんの身体的・精神的な苦痛に共感する時
例:
患者さん:「痛みがなかなか取れなくて眠れません」
薬剤師:「お辛い思いをされているんですね。痛みで眠れないのは本当につらいですよね」
9. 「ご心配になるお気持ち、とてもよくわかります」
使用場面: 患者さんの深い心配に寄り添う時
例:
患者さん:「母の薬が効いているのかわからなくて心配で…」
薬剤師:「ご心配になるお気持ち、とてもよくわかります。大切なお母様のことですものね」
10. 「そういうご経験をされたんですね」
使用場面: 患者さんの過去の体験に理解を示す時
例:
患者さん:「以前、薬でアレルギーが出たことがあって怖くて…」
薬剤師:「そういうご経験をされたんですね。それは心配になりますよね」
11-15:安心感を与えるフレーズ
11. 「一緒に考えていきましょう」
使用場面: 患者さんと協力して解決していく姿勢を示す時
例:
患者さん:「飲み忘れを減らしたいんですが…」
薬剤師:「一緒に考えていきましょう。○○さんに合った方法を見つけましょう」
12. 「私たちがサポートします」
使用場面: 継続的な支援を約束する時
例:
患者さん:「新しい治療で不安です」
薬剤師:「私たちがサポートします。何かあればいつでもご相談ください」
13. 「○○さんなら大丈夫だと思います」
使用場面: 患者さんを励まし、信頼を示す時
例:
患者さん:「治療を続けられるか不安で…」
薬剤師:「○○さんなら大丈夫だと思います。これまでもよく頑張ってこられましたから」
14. 「安心してください」
使用場面: 患者さんの不安を和らげる時
例:
患者さん:「この薬、本当に大丈夫でしょうか?」
薬剤師:「安心してください。多くの方に安全に使われているお薬です」
15. 「きっと良くなりますよ」
使用場面: 希望を与える時
例:
患者さん:「いつまで薬を飲み続けなければいけないのでしょう…」
薬剤師:「きっと良くなりますよ。お薬が効いてくれば、症状も落ち着いてくるはずです」
16-20:深い信頼関係を築くフレーズ
16. 「貴重なお話をありがとうございます」
使用場面: 患者さんが心を開いて話してくれた時
例:
患者さんが家族の病気について詳しく話してくれた後
薬剤師:「貴重なお話をありがとうございます。○○さんのお気持ちがよく伝わりました」
17. 「正直にお話しいただき、ありがとうございます」
使用場面: 患者さんが飲み忘れや副作用などを素直に話してくれた時
例:
患者さん:「実は、薬を飲み忘れることが多くて…」
薬剤師:「正直にお話しいただき、ありがとうございます。それがわかれば対策を考えられます」
18. 「○○さんの立場だったら、私も同じように思います」
使用場面: 完全に患者さんの立場に立った共感を示す時
例:
患者さん:「薬の量が多くて飲むのが嫌になります」
薬剤師:「○○さんの立場だったら、私も同じように思います。確かに大変ですよね」
19. 「よくお気づきになりましたね」
使用場面: 患者さんの観察力や気づきを評価する時
例:
患者さん:「この薬を飲み始めてから、少し体調が変わった気がして…」
薬剤師:「よくお気づきになりましたね。そういう変化に気づくことはとても大切です」
20. 「○○さんのおかげで勉強になります」
使用場面: 患者さんから学ばせてもらった時
例:
患者さんが薬の飲み方の工夫を教えてくれた後
薬剤師:「○○さんのおかげで勉強になります。他の患者さんにも参考にさせていただきますね」
シチュエーション別活用例
初回来局の患者さん
よく使うフレーズ:
- 「そう思われるのは当然です」(3番)
- 「ご心配になるお気持ち、とてもよくわかります」(9番)
- 「私たちがサポートします」(12番)
長期通院の患者さん
よく使うフレーズ:
- 「とてもよく頑張っていらっしゃいますね」(7番)
- 「一緒に考えていきましょう」(11番)
- 「正直にお話しいただき、ありがとうございます」(17番)
高齢者の患者さん
よく使うフレーズ:
- 「お察しします」(5番)
- 「お辛い思いをされているんですね」(8番)
- 「貴重なお話をありがとうございます」(16番)
子育て世代の患者さん
よく使うフレーズ:
- 「無理もありません」(4番)
- 「同じような方は多くいらっしゃいます」(6番)
- 「○○さんの立場だったら、私も同じように思います」(18番)
共感フレーズを使う時の注意点
1. 心を込めて言う
形式的に言うと逆効果。本当にそう思って言うことが大切。
2. タイミングを見計らう
相手が話し終わった後、間を置いてから使う。
3. 表情と声のトーンも合わせる
言葉だけでなく、表情や声のトーンでも共感を表現。
4. 使いすぎない
1回の会話で2-3個程度に留める。
5. 相手に合わせる
患者さんの年代や性格に合わせて選択する。
実際の効果
共感フレーズを意識的に使うようになってから、明らかに変化がありました。
変化の例:
- 患者さんから「話しやすい」と言われることが増えた
- 薬以外の相談をしてくれるようになった
- 「この薬剤師さんがいる時に来たい」と指名されるように
- クレームが減り、感謝の言葉が増えた
特に印象的だったのが、最初は警戒心の強かった70代のおじいちゃんが、共感フレーズを使った接客を続けているうちに、孫の話まで聞かせてくれるようになったことです。
まとめ:共感は信頼関係の架け橋
共感フレーズは、患者さんとの心の距離を縮める魔法の言葉です。
効果的な使い方のポイント:
- 患者さんの感情に寄り添う
- 心を込めて言う
- 適切なタイミングで使う
- 相手に合わせて選択する
- 継続して実践する
20個のフレーズを全部覚える必要はありません。まずは自分が使いやすそうなものから3-4個選んで、実際の接客で使ってみてください。
患者さんの表情が変わる瞬間を感じられるはずです。共感フレーズで、より温かい薬局を作っていきましょう!
私も毎日の接客で、新しい共感表現を探しています。患者さんとの心のつながりを感じられた時の喜びは、薬剤師の仕事の醍醐味の一つですね。